紅い華 1 

軍服パロ








SNSでかなめ様に軍服話書いていただきました!


連載ではありませんが、小ネタをちょこちょこ、いちいち挿し絵を描かせてもらっちゃってます!


私はシアワセモノです~(≧▽≦)



しっかり転載許可もいただいてきました♪











紅い華 1






「―――さて、」

パシ

殺風景で無機質な空間に乾いた音が響く。
そしてこの場を支配する者の声もまた、氷のように冷たい。

「私が納得できるような理由を聞かせてもらおうか。」

パシッ

手で遊ばせていたものを止め、紅い瞳が目の前の男を射抜く。

「几鍔?」



紅い華1-1


玉座に座するかのように優雅に腰かけ高く足を組むのは、この軍の最高指令である珀黎翔。
作戦の成功率はほぼ100%といわれるが、相手を完膚なきまでに叩き潰す手腕と自他に厳し
いその態度から冷酷非情の狼陛下と恐れられる男だ。

その前に立つのは、戦闘能力は軍でも指折りと言われる軍人、几鍔。特に射撃の腕は他の
追随を許さない。
性格の方は、情に厚く目上の者にも物怖じせず、部下への面倒見の良さから、年上からも
アニキと慕われている。
今も、黎翔を前にしていながらそっぽを向くという、他人には到底真似できないことを
やってのけていた。

「むしゃくしゃしてただけだっつってんだろ。」
「……それで2人も病院送りか?」


―――派手な喧嘩だった。
一人は腕の骨を折り、もう一人はあばらを折った。他にも怪我人は多数。
対して几鍔は一人だったのにも関わらず無傷。

その結果が物語るように、元から力量の差は誰が見ても明白だ。いくら馬鹿でもわざわざ
喧嘩を売るようなことをするだろうか。
しかし、その発端については男達も几鍔も黙秘を続けている。


「君は理由もなく手を出すような人間ではないと思っていたのだが。私の買いかぶりだっ
たか。」
「……てめーに買われても嬉しかねーよ。」

「几鍔殿! 口を慎みなさい!」
今まで黙って黎翔の隣に立っていた副官の李順が、あまりの不敬に怒りを露にする。
しかしそれを黎翔が片手で制した。

「良い。言うつもりがないのなら、相応の処分を下すだけだ。」
屈しない几鍔が面白いのか、黎翔は狼陛下の名に相応しい酷薄な笑みを浮かべる。
李順は青ざめ一歩下がり、几鍔は横を向いたまま黙秘を貫く。

パシッ

もう一度音が響いて、

「では、君の処分を―――」


「待ってください! 違うんです!」
二人の目が合ったその時、出入り口の扉が壊されそうな勢いで開かれた。

「待ってください!」


紅い華1-2



栗色の長い髪がふわりと揺れる。
カツカツとヒールの音を響かせて、膝丈のタイトなスカートをものともせず、少女は二人
の間に割って入った。

「夕鈴?」
意外な人物の乱入に黎翔は目を瞬かせる。
彼女は几鍔を庇うように両手を広げて黎翔と対峙した。

「お前っ 来るなっつったろだうが!」
几鍔が肩を引いて退けと言うが彼女は引かない。
冷酷非情の狼陛下を真正面から見据えて続ける。
「几鍔は何も悪くありません! 私を庇ってるだけなんです!」

「……ほぉ。その話を詳しく聞かせてくれ。」
夕鈴の訴えに興味を示した黎翔が続きを促す。
慌てたのは几鍔だ。
「ば……っ 止めろ!」

「最初に私があの人達を怒鳴ったんですっ」
止めようとする几鍔の手を振りほどき、夕鈴はさらに声を張り上げる。
李順が目を丸くする隣で、黎翔はなおも楽しげに口端を上げた。
「何故?」
「だって、あの人達が貴方のことを悪く言うから… 私、許せなくて……それで言い返した
ら、1人が手を振り上げてきて、几鍔がそれを止めてくれて。だから、彼は悪くないんで
す。私を助けただけなんですっ」


彼女の答えは黎翔が几鍔に尋ねた問いの答えでもあった。
黎翔が納得のいく理由を。
やはり、理由なく力を行使する男ではなかったのだと。

―――そしてまた、この答えは黎翔を別の意味でも喜ばせた。


「さすがは私の婚約者だな。」
彼女の登場から和らぎ始めていた雰囲気がさらに優しくなり、黎翔は愛しい少女に甘い微
笑みを向ける。
そして彼女の顔が真っ赤になると、満足げに副官を振り返った。
「愛を感じないか? 李順」
完全に惚気としか受け取られないそれに、話をふられた李順は深い溜め息で返す。
「……まだ候補です。」
「だが、私はもう夕鈴と決めた。」
「俺は認めてねーぞ。」
待てコラと几鍔も口を挟んでくる。
しかしそれで聞くような黎翔でもなかった。
「君が認めようと認めまいと、夕鈴は私の花嫁となる。」

そうして立ち上がると、くっつきすぎだと几鍔から夕鈴を引き剥がし、自分の腕の中に収
める。
「~~~ッ」
恥ずかしさに暴れだす彼女を難なく押さえ込んで、几鍔に意地の悪い笑みを向けた。

「―――君にも、思っていた以上に私は愛されていたんだな。」
相手の男達を病院送りにするほどには、と。

「誰がだ! だから言いたくなかったんだよ!」


几鍔の怒声と黎翔の笑い声と、そして李順の溜め息が重なった。





(おわり)






紅い華1-3


おふざけギャグでこんなのも送り付けてしまっておりました( ̄д ̄)







SNS2014/06/10










→続きます!



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